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ドラクエ8 短編小説集

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風なりの丘で

多分、スライム狩りかなんかをしている設定の話、だったと思う(細かいことは忘れた)


ぐぎゃ、ともうげ、とも聞き取れる悲鳴をあげて
何百匹目かともしれない、メタルスライムが息絶えた。
「持ってるか?」
「いや」
液体と化したメタルスライムを剣の先でぐちゃぐちゃとかき回しながら
ククールと、赤いバンダナをまいた青年は顔を見合わせながら、深いため息をついた
「中々ないでガンスね」
「まあ、もともと幻といわれているものだからね」
「気長に探すしかないな」
と、口ではいいながら、その顔には疲労の色が濃い。
朝からメタルスライムを倒して、倒して、倒して、すでに
日は山の端に没しようとしている。
ここは風なりの丘、世界中からスライムたちが集まってくる、謎の聖地。
そしてここに住むメタルスライムだけが、暗黒神の雷をもふせぐという
究極の盾を隠し持っているという。
それを求めて1週間、彼らはここでスライムを狩り続けている。
「ああ、日が沈んじまったでがんす」
「しょうがない、今日はここまでだね」
「ん~。さすがに町が恋しくなってきたな。バニーちゃんと
さしで一杯やりたいぜ」
と軽口を叩きながら野営の準備をする3人
その後ろで、手伝いをしながらも無言のゼシカがいた。

「ねえ、私たちのしてることって正しいのかな」
ずっと無言だったゼシカがポツリとつぶやいたのは
夜もふけた頃。
青年とヤンガスは、昼間の疲れから深い眠りに落ち
ククールとゼシカが、火の番をしていた。
「なに、珍しく無口だったと思ったら、そんなこと考えてたの 
くだらないね、ゼシカちゃん」
さらりと軽く返されて、ゼシカの頬がぷっとふくらんだ
「何がくだらないのよ。だって、魔物とはいえ生き物よ
あんなに無差別に殺して。いくら暗黒神を倒すためだとはいっても・・・・」
「あいにくと全然思わないね」
「貴方、一応僧侶でしょ。命を大切にしようとは思わないの」
きっと眦を吊り上げたゼシカに、ククールはあくまでも静かに
「俺たちは、勝たなきゃだめなんだ」
とぽつりと言った。
「判ってるわよ。」
「判ってない」
「どうしてそんなことがいえるのよ」
「ゼシカこそ、俺たちに関わったばかりに死んだ人間にさっきの言葉がいえるか?」
声を荒げるでもなく、諭すように言うでもなく、淡々とククールは言った
「・・・・それは」
「突撃して失敗したら、あの人たちは犬死だ。そうならないためには
世界中のスライムを全部狩りつくしても俺は痛くもかゆくもない。
博愛主義もいいけど、時と場合って物がある」
「・・・・・・・」
ゼシカは何も言い返すことが出来なかった。
闇はどこまでも深く、このまま2人をおしつぶしてしまいそうだった

翌朝、ゼシカが小鳥のさえずりで目を覚ますと
隣で寝ていたはずのククールの姿が見えない。
ヤンガスも青年も気付いたようで、辺りをきょろきょろ見回していると
やがてのぼりくる太陽を背にククールが戻ってきた。
その手には光り輝く重そうな盾。
「・・・・ククール、それって」
「ああ。偶然はやく目が覚めて。顔を洗ってたときに見つけたスライムがもってたんだ。
これで、もうスライムを殺さなくてすむぜ」
ぽいっと青年に盾を投げてククールはゼシカに向かって軽く片目をつぶった
その服にはいくつものスライムの体液のしみがあり、とても偶然に見つけた末に
盾をうばったとは見えなかったが、青年もヤンガスもなにもいわなかった
ゼシカだけが何かをこらえるかのように、両手を胸の前で組み合わせていて
ククールがすれ違い様に小さな声で
「ありがとう」
といった。
「女の子の希望はかなえるのが俺の主義なんでね」
返ってきた言葉は、相変わらず軽かった。
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Date:2016/06/19
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